天空の廃墟を歩く
横須賀市田浦にある山の上の市営住宅跡地を散策した。
先日、マスコミで廃墟になった山の上の市営住宅〈月見台団地〉をリノベして活用するプロジェクトが始まったと報じられ借手がたくさん出て話題になっている。
京浜急行は追浜あたりから横須賀中央駅にかけて谷戸や尾根を串刺しする様に走っている。そんな谷戸の急斜面に住宅が密集していて高齢化が進むに従い住む事が困難になりつつあり横須賀市は人口が減っている。そこをリノベして若者の創作現場にしようと考えているらしく少しばかり興味が湧き、暖かい日に妻を誘い散策がてら行ってみた。JR田浦駅入口までバスを乗継ぎ、そこから谷戸に進入する。直ぐに登り坂になりループを描きながら崖の上まで登るが、そんな所にも家が密集している。上り詰めると平らな台地が広がり、そこに平屋の古い住宅が整然と建っていた。既に住民はいなく何箇所かでリノベの工事が始まっていたので覗いて見ると屋根裏の梁がいい感じでモダンな室内空間になりそうだ。
山の上の平らな台地は天空の月見台と言うにピッタリ見晴らしがよく、東側は東京湾を眼下に見える絶景、西側は谷を挟んで田浦梅林が見え紅色の梅の花が咲き始めている。青天の夜、月明かりに浮かぶ雄大な風景を楽しめると思う。
生活は不便かも知れないが若者がこんな絶景の天空の場所で創造的な事をするのも有りの様に感じた。
春の季節を先取りした様なひんやりした空気と暖かい陽射しの中で、気分爽快の散歩だった。