ある木工家の死を悼む
桜製作所の永見会長が昨年突然亡くなられた。
高松にある桜製作所の事は昨年訪問してブログにも書いたが、そこの会長の永見さんは木工家のジョージナカシマとの交流により長年優れた木工の仕事をされて来た。そして其の人柄にもよるが三谷龍二さんや多くのモノ作りの作家が桜製作所に集まり交流をしていて、その活動については本でも紹介され私の憧れでもあった。
昨年の中頃永見会長の作品展を銀座桜ギャラリーへ見に行った時にお会いしてお話もさせて頂いたが、木に対する思いと表現への無心な心に感動した事を覚えている。社長夫人の三智子さんとは高松の記念館でお会いしその後も友人との不思議な縁で繋がりができたが今年の年賀状が来なかったので身内で不幸でもあったかなと思っていた。2月に手紙が届き昨年9月に会長が突然永眠されたと、そして3月に回顧展があるとの案内を頂いたので見に出掛けた。
ギャラリーは訪問者はだれもおらず、ゆっくりと永見さんの晩年の作品である銘木の端材を使った彫刻作品や家具作品のデザイン画などに見入った。加えて交流のあったジョージナカシマの娘のミナさんが父の意思を次ぎ木工デザイナーとして活動しているその作品も見る事ができた。
私の木工はたとえ趣味の世界であっても多くの先達から作品を通して機会があればお会いして話しをすることで教えられて来たが、永見さんもその一人であった。心より哀悼の意を表したい。