イタリアの豊かな暮らし考
イタリアはフィレンツェなど著名な大都市は観光としての魅力があるが、地方の小さな街には生活の豊かさがあり風景と共に魅了的である。
今大学でイタリアの小都市を巡る公開講座を受けているが、そこで紹介される街よりも更に人口が少ない街に生活の魅力が有ると言う。今、ジュンク堂で見つけた〈イタリアの小さな町、暮らしと風景〉を読んでいる。京都造形芸術大学の井口先生がイタリア中部のメルカテッロと言う人口1300人程度の小都市に家を持ち日本と往復生活をしているが、そこに暮らし地元の人々の生活をつぶさに見聞きしたもので構成されてる。
他の地方都市と同じ様に旧市街地の周りに新市街地が広がっているが、広場を中心とする旧市街地を人々は離れない。日本では地方都市へ行くとシャッターが閉まり人気の無い寂しい町に遭遇するが、イタリアの広場には市が立ち地産地消が盛んであったり、パールには男どもがたむろしたわいない話に夢中になる。マンマは幾つになっても家族の中心で旨いゴハンを食べに皆集まって来る。町の近くの山に入ればトリフやポルチーニなどのキノコが取れるなど自然も豊かだ。年寄りには歩きにくい石畳の道や生活する上の不便さは多々有るに違いないが、彼ら彼女らはこの暮らしが好きだ。
日本の中にも私が歩いた限りでは石見銀山の大森町など素敵な町はあるが、その他どれほど豊かな地方の暮らしが残っているのだろうかと思わざるをえない。もう少しイタリアの事を勉強してみよう。