シトロエン100年の歴史を考える

2021年07月10日 00:00

企業で長い歴史を刻む事ができるにはそれなりの訳があると思う。
企業戦士であったころはその時代に輝いていた企業の経営者のマネジメントを夢中になって勉強していたが,現在時代の変化に対応できず幕を閉じた名門企業もあれば一方変化の先を読み変革を重ねながら長い歴史を刻んでいる企業もあり改めて企業の歴史に興味を持ち始めた。そのキッカケとなったのは先のブログに書いた人生最後の車選びで買うことはなかったが一世紀も前からユニークで先進的な技術にチャレンジしていて今ではフランスを代表する高級車として存在感を示すシトロエンDSブランドの存在を知ったからである。DSは110年のあいだシトロエンの革新と進化そしてパリの粋を象徴するシンボルだ。
Amazonでシトロエンの歴史本をさがしたら少し古いが100史を書いた本を見つけ手に入れた。この本は1889年エッフェル塔が完成した頃からのフランスの文化・産業史をバックグランドにシトロエンの歴史を記述していて読み物として面白い。シトロエンはプジョーそしてルノーより遅れて1905パリでシトロエン・ギア社としてスタートしたが、今もエンブレムが創業のダブルヘリカルギアをデザイン化したものである事に誇りを感じる。1919年から始まる車生産はルノーやプジョーより早くT型フォードの大量生産方式を取り入れ、技術的にはDS19のハイドロシステムなど他を圧倒していた。
それから現在に至るまで紆余曲折があるが、フランスのシェアはルノー18%、プジョー17%、シトロエン11%、DS1%とシトロエンから独立したブランドのDSのシェアは微々たるものだが一番パリのエスプリを感じさせる車、大統領車、小粒ながらBEVへの取組みにも積極的であり伝統は進化しながら輝いているようだ。ファッションで例えればカルティエやエルメスみたいな存在、これらは皆長寿企業でもある。
確たる技術を持ちその国の文化に根差しながら時代の変化を先読みして進化させていることが長寿企業の秘密であろう。

50年前のDS21と最新DS3