冬の美術館

2025年01月28日 00:00

冬は家に閉じこもる事が多いが、暖かい日に久しぶりに東京のアーティゾン美術館へ出掛けた。

アーティゾン美術館は元はブリヂストン美術館と言っていたが、石橋財団が収集した優れた芸術作品を多く保有し建物をリニューアルした。ここは何度でも来たくなる美術館だが、今回の特集は毛利毬子の作品展および所蔵品から〈ひとを描く〉と〈マティスのアトリエ〉をテーマにした作品展示。

毛利毬子の作品は造形と音響技術を組み合わせたもので不思議な造形空間と造形の動きによる電磁的な揺らぎを音に変換して微かに響く。作者の意図は理解を超えるが不思議な体験であった。

所蔵品の展示はさすがブリヂストンと言いたくなる和洋の人物画の名品のオンパレード、しかも特別企画として写真も自由と言うサービス。今までの展示には無かった古代エジプトの壺などに描かれた人物像の精緻さには驚いた。

大窓から差し込む柔らかな冬の日差しに溢れた美術館内のカフェでコーヒーを飲み余韻に浸る。冬の都会の美術館での贅沢な時間であった。