原発への一考察

2014年03月29日 22:47

2011.3.11の東日本大地震とその後の福島第一原発の事故はまだ記憶に新しいし忘れてはならぬ出来事である。原発の事故に関しては今もってもやもやした気持ちで今後の運転再開に付いて明快な賛否を出せないでいる。

東電や政府はあの事故は想定外の地震と津波による事故だと言って来た。私の事故直後に感じたのは、津波により原発の生命線である冷却系統が全滅した事について技術屋の常識では考えられない事故だと感じこんなレベルの状態では原発は運転してはいけない、しかし一方戦後の技術立国を牽引して来た我々の自負として、原子力をコントロールすることは確実にできるはずだと思っていた。エネルギーを海外に依存するしかない日本として自前のエネルギーを持たねば国が成行かなくなるので原発再開は何れ安全に実施されねばならないと思っていた。

しかし、その後の東電の対応の体たらくや原子力に関わって来た研究者や技術者の情報発信が殆ど皆無であったことそして一度事故を起こせば人類に多大な被害を与える原発に関わる人達の技術に対する謙虚さに掛ける発言等から今のままだと原発は稼働すべきでないとの悲観論になって来ている。

そんな中、3/29付けの朝日新聞に掲載された東電原発総責任者の新常務の発言紹介はもしかしたら光が射すかも知れないと感じさせるものがある。彼の話のポイントは①此の事故は誰がやっても防げなかったと言うスタンスは原子力のプロの姿としては不十分②関係者全てに自然現象に対する謙虚さ、原子力安全に対する謙虚さが足りなかった③事故報告書の内容については、此の程度の反省では再び原発を行う事はできない

彼の発言はほぼ私の感覚に合うのだ。此れが本物なのかどうか、原発関係者の総意となるのか、もう少し様子を見ても良いかなと思う。