奈良の仏像巡礼
毎年11月下旬は京都・奈良の紅葉を写真に撮るため旅をする事にしている。
今年も其の時期になり母の介護のスケジュールの合間に出掛けたが、京都は国立博物館で鳥獣戯画展を見たいと思い行ってみたものの最終日の祝日で3時間待ちの状況であったので諦め、奈良を中心にお寺と仏像そして紅葉を見る旅だけに集中した。
今回の奈良は此れまで行った事の無い寺あるいは一度は行ったものの其の時は印象に残らなかった寺と仏像、そして必ず行きたお会いしたい仏像に的を絞った。
初日は秋篠の寺の技芸天を見た。此れは昔見たものの余り印象に残っていなかったが今回見ると慈悲深い姿はバチカンのピエタ像のマリヤの様な印象であった。
二日目は新薬師寺の十二神像を初めて見た。其の中で戦いが終わり静かに身を鎮めている神像の姿に自分の現在を投影している様な気持ちになって暫くの間見ていた。次に戒壇院の広目天は私の企業戦士の時を思い出し、何度かここに来ては励まされたなと改めて思った。興福寺の阿修羅に至ってはただただ其の素晴らしい姿に見とれるだけであった。それは三日目の法隆寺中宮寺の弥勒菩薩も同じであった。
紅葉は今回は竜田川沿いの紅葉を見て歩いたが、写真的には秋篠寺の一枚が素晴らしかった。
京都、奈良は毎年来たくなる懐かし景色とお寺そして多くの思いを感じて来た仏像との再会がある。