家具を作る日々

2022年09月23日 00:00

コロナ禍の中で細々と趣味の木工を続けている。
コロナ感染が始まって以来手の込んだ作品を作るのは年に一つ位、プロの世界だったら生計が成り立たない状態だが趣味でやっている私にはそうした深刻な事態はないが困ったことに生きる活力が衰える気もする。
そんな中、友人とのランチ会の席で木工作品の製作依頼の話があった。ベッドの脇に置くサイドテーブルで血圧計などを入れられる引出しも付けたいと。私は直ぐにやらせて欲しいと言い、使い勝手の要望と設計案のやり取りを開始した。折角作るのだから長いこと便利に使って貰いたい、だから今の要望だけで設計するだけでなく将来の生活の姿を想像しながら機能を提案する事も大切にしている。
やり取りを何回も重ね決まった設計は、引出しを3段にし上段はベッドで読む本や筆記用具入れ、中段は薬や血圧計、体温計などの健康器具入れ、下段はテッシュやタオルなど嵩張るもの入れとし、引出しには使い勝手を良くする仕切りとして
スライドボックスを付けた。背面にはスマホの充電や照明器具用コンセント、そしてキャスターも付ける。後は見栄えを考え手持ちの銘木の薄板を表面に貼り付けるのと少しだけ遊び心で飾りを加えてみる。

急がなくても良いとの事だったので、ゆっくりしたペースで制作を開始して節目の所で依頼主へ進捗を報告し色々なフィードバックを貰った。こうしたプロセスがあると依頼主も製作者も新たな発想が湧いてくるので進化し共同で作品を作ってる感覚を覚える。

しかし箱物は難しい、一つ一つの部品の精度が組み立てた時の見映えに影響するし、組み立ても接着剤で固定するので間違いがあっても修正が限られる。四苦八苦しながらも人のために家具を作る喜びは他に代え難いものだ。
最後の喜びは搬入した時の依頼主の笑顔を見る瞬間にある。