建築家、安藤忠雄展

2017年11月10日 23:22

建築家の中で安藤忠雄ほど挑戦的な人はいるまい。その作品展示会が新国立美術館で開催されている。

建築家の作品を展示会でどう見せるかは難しい課題である。作品そのものは建築された場所に行けば見れるが、建築家の全体像を掴むのは大変なことだ。かと言って展示会では本物を出すことはできないから工夫が必要になる。
さて会場内は多様な世代の男性女性が溢れてまるで美術展の様、確かに光の教会は実物ソックリに作り屋外展示されてるから彼の作品の真髄を感じる事ができ、その精神性と造形美は若い女性には堪えられないものになっている。それとそれぞれの作品は美しい木を使い精巧な模型で完成度が高いので一つの作品だ。ベネチアPunta della Doganaの展示は精巧なベネッチア都市模型と歴史的建造物の税関建物を活かした美術館の大型模型、まるで我々が小人になって建物の中にいるような錯覚に堕とされる。直島プロジェクトの展示方法も憎い、島を木のチップの集合体として作りそこに地中美術館やベネッセハウスなどを配置し光の演出を加えて見せてくれる。
安藤忠雄の作品は無機質なコンクリートに光と影で表情を与え余白の中に精神性を感じさせ自然や人との融合を図っている様に思える。
感動的な展示会だった。