懐かしい小説家、ロマン・ロラン
2021年12月16日 00:00
大学生だった20歳の頃、トルストイの小説などに夢中になっていた時にロマン・ロランの大河小説〈ジャン・クリストフ〉も読んでいた。
ジャン・クリストフはベートーヴェンの生涯をモデルにしていると言われ、私がベートーヴェンの音楽と生涯に夢中だった事と重なり迷える時期に何か生きる支えのように読んでいたように思う。1965年に買った全集はまだ本棚にあるが、長いこと忘れた存在になっていた。が、ある時彫刻家高田博厚の事を調べていたら彼がパリに在住していた頃、小説家ロマン・ロランに認められ深い交流があり、2人の往復書簡が最近発見され出版されたのを知り,にわかにロマン・ロランを記憶の淵から呼び込みその往復書簡を読みたくなった。
その往復書簡を読むと高田がロマン・ロランに心酔していた様子とロマン・ロランが高田を信頼していた様子が良く分かる。そして私が夢中になっていた理由も蘇り、今まで無意識にも自分の底辺に流れ続けていたのかとも感じた。
暫しほろ苦くも初々しい青春の頃の思い出に浸った。