旅の中で出会った美味いもの
コロナ感染も2年目に入りまだまだ旅に行ける状況でないが、せめて思い出話しで旅の楽しみを味わい直して見よう。
趣味の街並み探索の旅や仕事・学会などの出張で日本の色々な地方に行ったが、そこで自然や街並みの素晴らしさを発見すると共に美味しいモノとの出会いがその旅の懐かしい思い出を確かなものにしてくれる。
N社の研究所にいた頃開発中の新技術を車両で確認するため寒地実験を行った雪の札幌、居酒屋で初めて食べたごつい顔の魚八角の塩焼きの旨かったこと。屋外実験後の冷えた身体を暖めながら開発の夢を語りながら飲む日本酒にピッタリだった。
色々お世話になったG大学の先生が毎年暮に地元で開いてくれた忘年会は鴨料理のフルコースがお決まり、これを目当てに関東からも先生方が参加するが賑やかなお喋りと共に鴨ステーキから団子鍋そして最後の雑炊までお腹いっぱい堪能した。先生お気に入りのママがいる柳ヶ瀬のバーでのカラオケもまた楽しかった。
学会で鳥取に行った時、親しくお付き合いをしていたT大学の先生がお酒好きの勘から探した呑み屋で食べた焼き白みる貝の肝はほろ苦さと濃厚な旨味でフォアグラより美味であった。飲み過ぎてホテルに帰るのが辛かったことまで覚えている。
未だ現役の頃趣味の古い街並み探訪の旅で萩を訪れた。昼間武家屋敷や明治の偉人の足跡などを見て歩き回り、夜街をぶらぶらして見つけた料理屋で食べた鰆のタタキ、明治維新の志士たちに想いを馳せ旅の感傷に浸りながら一人酒を楽しんだ懐かしい思い出である。
横浜から夜行寝台列車で運んだ折り畳み自転車で今治から尾道までしまなみ海道を走った時、一泊した伯方島の民宿で出してくれた山盛りの海の幸、中でも生車海老は甘くぷりぷりの食感に幸せな気持ちになりついついおかわりをお願いした。素晴らしい瀬戸内海の風景と共に自転車旅の一番の思い出になった。
会社をやめてから妻と四国をドライブした最後の目的地高知市で昼時探した居酒屋で食べたカツオの中落ち丼はマグロ以上に美味で定番のタタキとは違う旨さをカツオの地で発見した幸せな旅であった。
まだまだ旨いモノとの出会いの旅は岩手のキノコ汁など沢山あるが、土地の名物と言われているモノで思い出に残るのは余りないのは思い込みが強く実際食べた味とのギャップがあるからだろうか?
旅の醍醐味は偶然の出会いの楽しみだと思うし故に記憶に残る、だから旅はやめられない。
