日本映画が面白い

2019年10月12日 00:00

 

最近日本映画が面白いように思う。先日〈蜂蜜と遠雷〉を見に行ったがこの秋はこれからも興味を引く映画が上映されるようだ。

蜜蜂と遠雷は恩田陸のヒット小説であるが、私は普段小説は余り読まないのに久しぶりに本屋で平積みを手にして購入し一気読みをしてしまった。ピアノコンクールと言う舞台の中で成長する若者3人と思い悩む中年ピアニストの物語だが、物語の展開の面白さもさることながら曲を言葉で想像豊かに表現できるという事が新鮮で演奏会場で聴いている様な感覚を覚えた。

しかしまさかこれが映画になるとは想像できなかった。有名な曲は楽譜があり演奏会を音響と共に映像化すれば良いが、言葉で表現されているだけのオリジナル曲のカデンツァは映画表現が無理だと思っていたら作曲家藤倉大が夫々想像豊かに作曲して一流ピヤニストが演奏して実現した。本物のコンサートは良く行くが、それに匹敵する音響で音楽を楽しむ事もできたし、松岡菜優などの個性的な俳優の演技も良かった。

これから先、是枝監督がカトリーヌ・ドヌーブを使った〈真実〉や平野啓一郎の小説〈マチネの終わりに〉の映画化などが期待できそうである。