昨年のノーベル文学賞作家
2025年01月05日 00:00
昨年暮れにノーベル文学賞を受賞した韓国の女性小説家ハン・ガンの小説を読んだ。
かって毎年ノーベル文学賞の候補になっていた日本の作家は今年は話題にもならず賞を貰ったのは私も知らなかった韓国女性だった。その意外性に値する普遍的な価値を知りたくて一度読んでみたくなった。
そうは言え何にから読んだら良いかも分からずAmazonの書評を頼りに〈すべての白いものたち〉を購入し読み始めた。
散文のような詩のような文体は空白と余韻に満ちていて読み手を知らず知らず浄化しながら思索へと導く様だ。
白をキーワードに短文が次々に続く、著者の今見る世界と過去の記憶を行ったり来たりしながら我々も白の世界に誘われて行き自分の歩いてきた道を振り返り気付かされる。これは人の普遍的な思考過程に共通する事だから韓国内に留まらず世界の人々にも受け入れられたのだろう。
我々が韓国を見る時に儒教の思想を重ねてしまうけど、この作者はそれを感じさせないものがあるからこそ世界の人々に響く普遍的な言葉となりノーベル文学賞に繋がったのかも知れない。