本に囲まれた暮らし

2021年01月24日 00:00

私の本好きに付いては前にも書いたと思うが、家に籠る日々更に本との出会いが多くなった。
私の読書傾向は少し偏っているかも知れない、自作した壁一面の本棚を見ると直ぐ分かる。若い頃は古典小説をむさぶるように読んだが今は極限られた作家の本がひっそり有るだけ。学生時代からの工学専門書や社会人になって良く読んだビジネス関係の本は今では読む事も無いが捨てられず前後2列に並べた後ろ側に置かれている。
棚を大きく分類するとお気に入り作家のエッセイに次いで紀行本や街並みに関係するものが圧倒的に多い、これは旅が好きだからと古い街並みに憧れるからだ。
次が木工など工藝関係やインテリアそして建築関係。趣味の木工が関係してると思うがモノづくりの本は作品もさることながら作家の生き方や思索に触れるのも好きだ。木工家の三谷龍二や塗師の赤木明登などの本を良く読んでいる。
変わった所では建築家の中村好文の本もスペースをとっている。彼の建築した住宅に纏わる本は施主との交流がなかなか味がある。彼自身が料理が好きだし生活を楽しむから施主の暮らしの有り様に耳を澄まし設計するので〈パン屋の手紙;設計依頼から完成までの往復書簡〉など文章は豊かな生活感と感性に溢れている。また世界中の気に入った建築の現地訪問記録〈意中の建築上、下〉も私自身がそこに行ったが如く読む事ができる楽しさがある。彼は三谷龍二など木工作家や古道具屋の坂田和實そしてデザイナーの皆川明などとの交流も深く相互に触発されているが家具や道具も設計しているので私はそれを本で見て教会風ベンチや小棚などお気に入りを写しとして自作する事もあるくらいだ。
そんな本達に囲まれて日々を過ごしているが数日前に中村好文の久しぶりの新刊〈百戦錬磨の台所I〉がAmazonから届き、そこにある台所の風景そして料理などその一部でも自分の生活の中に取り込みたいなと思いながら読んでいる。