本のタイトルに魅せられて
2017年11月17日 14:55
イタリア在住の内田洋子の描くイタリアの生活風景は、ジャーナリスト仕込の歯切れの良い文体と内容の面白さが魅力で新刊が出るとつい買ってきた。しかし少し飽きて来たかなと思っていた矢先、〈対岸のヴェネチア〉のタイトルに魅せられてしまいまた手元に届く。
ここに書かれている話は彼女が住みついた地での日々の人々との出会いで、特段特別な人が登場する訳ではないけれど、彼女の手に掛かると新鮮な感覚で目を喜ばすから不思議である。
私は一度しか訪れた事はないけれど、ヴェネチアの迷路のような街路を歩く時に感じる印象は分かるし、本島を島の外から見る景色の特別な街並みや色彩もまだ脳裏に刻まれているから読みながらも一緒に歩いている感覚を味わえた。
そしてもう一度、初めて妻と海外旅行したヴェネチアの街を歩き、疲れたらカフェ〈フローリアン〉で寛ぎこの街の奥深さを感じて見たいと思う。