東北、センチメンタルジャーニー
仙台で大学時代を6年間過ごしたが工学部だったので勉学に明け暮れ青春の淡い思い出は余りなかったが東北は懐かしい地である。
妻から一度連れて行って欲しいと言われていたのがやっと実現し、せっかくの思い出の地の旅であるから二泊三日で岩手まで足を延ばす事にした。初日は仙台でレンタカーを借り、懐かしの片平の大学本部、弟と暮らした貧しいアパート生活の地域、伊達政宗の壮麗な御霊屋、青葉山に展開する広大な工学部などを案内した。ランチをお洒落な大学のカフェテラスで食べたが蕎麦が55年前は1/10の30円だったと妻と思い出話しに沸いた。松島では松島湾を望む見晴らしの良いホテルに泊まったが、日の出の松島湾の景色が素晴らしかった。
翌日、平泉の中尊寺を拝観した後、金ヶ崎町にある叔父の墓参りを従姉妹に案内してもらい行った。叔父の所には大学時代時々来て秋にはキノコ鍋などを振る舞って貰ったが、従姉妹が用意してくれていて一口食べた途端思い出が蘇ってきた。たまたま来ていた石巻にいる次女から震災で命は助かったものの家屋ごと全てが流され長いこと避難生活を余儀なくされた話を聞いた。そこから民話の地遠野へ行き一泊し、翌日震災にあった三陸の復興状況を見ながら陸前高田の新防波堤から津波の映像とは真逆の穏やかな海に向かい鎮魂の祈りを捧げた。それから一ノ関の猊鼻峡に行き舟から幽玄な紅葉の渓谷美を楽しんで旅を終えた。
若い頃の懐かしさと共に、妻そして従姉妹と人生を振り返る旅となった。