松方コレクション展

2019年08月29日 22:05

上野西洋美術館で松方コレクション展が開催されている。
言うまでもなく松方コレクションは西洋美術館創設の根幹をなす。第一次そして第二次世界大戦を跨ぐ混乱の時代、川崎造船の社長を務めた松方が日本に本格的な西洋美術を紹介すべきとの志しで莫大な私的資金を投入し印象派などの名画を購入した。しかし大戦で消滅した作品や金融恐慌のあおりで会社倒産に際して売却された作品もあり、フランスに保管されたものは没収され一部しか返還されずなど多くの困難を経て戦後コルビジュ設計の国立西洋美術館に休息の地を与えられた。
今回は西洋美術館が世界遺産にも登録され開館60周年記念で他の美術館にあるモノを含めた完璧な展示である。
ここは何度も訪ねているが、松方に並ぶ大実業家が収集してきた大原美術館やブリジストン美術館を圧倒する名画やロダンの彫刻群があり感動をおぼえる。わざわざ外海から来る名画の展覧会とは違いさほどの混雑もなく思う存分名画に向き合う事が出来るのが嬉しい。
松方と言う実業家に思いを馳せながら、ゆっくりした美術鑑賞の時間を楽しんだ。