棟方志功展

2023年11月09日 00:00

  国立近代美術館で開催中の棟方志功展を見にいった。

彼の版画の作品は独特の力強さが漲っている。その作品の幾つかは大原美術館でも見ているが、改めて作品と向き合いその力強さと精神性を感じたいと思った。
初期から最後まで作品は彫刻刀の堀りがダイナミックで作者の身体から漲るエネルギーで迫ってくる。棟方が若かりし頃ゴッホの絵に魅せられたとの事だが、作品十和田奥入瀬を見ると筆と彫刻刀の違いはあるものの自然の表現方法に類似性があると思った。その後の作品は民藝活動との繋がりにより文字と絵の構成美に昇華されて行ったようだ。一方、棟方の女人作品は板画でなくては生まれきれない命と懸命を表現し祈りの世界へと導いている様だ。製作中の棟方志功を写真家の土門拳が写真に収めているが、彼が撮った戒壇院の四天王を思い出す様な気迫籠った写真だった。
改めて棟方志功の生き様を作品を通して感じていた。