正月の雑読三昧
携帯電話遺失騒ぎも無事戻り一件落着して本来の正月に戻った。
会社生活を閉じてから毎日が日曜日である私達にとって正月は休みとして特別なものではなくなりつつあるが、それでも何となくのんびりした気持ちでいられる。しかしテレビは面白くなく趣味の木工を始めるのも如何かと思い時間を潰すには本を読むのが一番である。私は、大学は理系で仕事も技術開発関係であったが、本を読む事が好きで貧乏学生でありながら仙台の丸善に入りびたしで文学関係の本を買い読んでいた。当時夢中になって読んだチボー家の人々やロマンロラン全集等は未だ本棚にあり、背表紙を見るだけでも懐かし思いに浸れる。それが何の役に立ったかは分からないが本を読む事の面白さは癒える事なく、今でも好きな建築、デザイン、手仕事、街並み、旅、食などの本を多く読んでいる。今年の正月は5冊を平行して読んでいる始末だ。中村好文、安野光雅は趣味の木工の発想ヒントが得られるので新刊が出るたび欠かさずに読むが、最近イタリア在住の内田洋子のエッセイを知り読み始めたら、これがたまらなく面白い。REDESIGNは定番商品等のデザインを著名なデザイナーたちが新しくデザインし直す試みをして見せてくれる発想を刺激する変った本。他郷阿部家の暮らしとレシピは昔訪れもう一度行きたいと思う島根県の石見銀山の街に住む人の生活の話で、懐かしい思いに浸れるし此のレシピで料理をしてみたいと思う。
このような雑読三昧は妻からは必ずしも良い評価を得ていないが、私にとっては極楽の極みである。