母の記

2018年12月31日 11:47

今年は色々な事があった一年でした。
1月に95歳の誕生日を迎えた母は次第と衰弱はして来たが春先はまだお互いアイコンタクトは出来ていた。父の七回忌を4月に行い墓参りの外出は施設から止められたが、集まった家族と穏やかな時間を過ごしていた。

私はこの調子なら木工個展を開けるなと判断し10月の開催に向けて作品の制作に励み、何の不安も感じることなく5日間の個展で多くの人々との交流を楽しんだ。
その後間も無く母は食事・水分の摂取が少なくなり急速に体力を失い11月10日に父と同じ歳で父の元へ旅立った。今思えば息子の個展が無事終わるのを見届けるまで頑張ったのだと思いありがたかった。
母は若くして両親を失い信州の田舎から東京の親戚に預けられ3人の従兄弟の中で青春を過ごした。そして縁あって父と結婚、新婚生活は最後に暮らしたと同じ横浜の地で、其処で私も生まれた。戦後父の故郷の信州に戻り親戚も含め大家族の日々の生活を切り盛りして来たが、根っからの明るい性格とオモテナシ上手で沢山の人々と親しく交流して生活は苦しいながら楽しい人生を送ってきた。父を先に送り一人で頑張って来たが、歳には勝てず最後の4年間は私共の近くの施設で暮らし、子、孫、ひ孫に囲まれた
穏やかな日々であった。

今頃は父の元で楽しく過ごしている事だろう。