沢田英男の彫刻
娘婿から日本橋高島屋で沢田英男の彫刻展が開催されるとパンフレットを貰った。
3月に氏の彫刻作品集が出版され、今まで見てきた木彫とは違う何かを感じた彫刻家であったので婿に知っているかと聞いた事があり、それを覚えていてくれたのだ。
氏はドイツに留学した後50歳ごろから作調が変化したとの事であるが,楠木や檜木の木の味わいを残したシンプルな木彫で強い主張がある訳では無いが人の心に内在している記憶に呼びかけるものがあると思った。私にはこの作品を表現するだけの言葉を持ち合わせていないので、手にした本に書かれている解説文から抜書きしてみたい。
私の書棚にもある作家の若松さん「人間によって作られたのではなく、木から何かを彫り出すように、生み出されたのではないか」
一度訪問しお話しをした事がある長野のギャラリー夏至店主宮田さん「氏は自身と等しく作品が饒舌であることを好まない」
細川護煕の永青文庫副館長橋本さん「する」のではなく、「なる」かたち。 完成の手前、風化の途上」
作品集を手に取り眺めているうちに自分も作って見たくなり手元にあった檜木を削りバーナーで表面を焼いて色付けし私のオリジナルを作ったが、イメージを形の中に閉じ込める造形技術(語りかける線であったり面であったり)がないのが分かった、初心者には無謀な試みであった。でももう少しチャレンジしてみたい。
芸術とは作品に命を吹き込む事ができた時に人に感動を伝えるのであろうと思う。