福岡伸一の知恵の学校
2017年08月21日 22:42
世の中には私が垣間見たことがない世界がある。
分子生物学者福岡伸一のことを調べていたら、彼の“知恵の学校”なるイベントが定期的に開催されていて8月に作家の原田マハを迎えてのトークがあるとのこと。原田マハは美術館キュレータの経験をいかして絵画を題材に小説を書いていて初期の“ジヴェルニーの食卓”で新鮮な切り口を感じ“暗幕のゲルニカ”はピカソ絵画論とサスペンスのクロスオーバーが大変面白かった。そんな作家と福岡伸一との組合せはさぞかしフェルメールの絵の話しになるなと興味津々で参加申込みをした。
当日、築地の近くの会場の会議室には50人ほどの2人のファンや本好きと思われる主に女性の人々が集まった。トークの内容は講師2人がどんな本と出会ってきたか、そして彼女が美術館キュレーターから小説家としての歩みをはじめる過程から最新作アノニム誕生裏話まで、最後は福岡伸一のオタクであるフェルメールの絵画との出会いにまつわる話で〆られた。
知恵の学校としては少し物足りなかった様に思ったけど、こうした場はコンサートと同じく本好きが好きな作家の話しを聞きながら一つの世界に心を任せる快楽を味わっている知的時間と言えようか。