福島桜紀行
桜は日本人にとって特別な感慨を与えるものの様だ。
日本各地から花便りが聞こえ始めると旅支度に落ち着きがなくなる。今年は念願の三春の滝桜を見に行くことした。
桜を見に行く時の難しさにタイミングがあるだろう。特に遠方なら泊まり掛けとなり宿の予約もしなければならず外れたら惨め、そんな時にバスツアーは色々な場所を組み合わせるので大外れがなく、運転する疲労も少なく結構良いのではないかと思ってる。
バスツアーは今回で三回目となるが弘前角館などの東北の桜、吉野の千本桜、いずれもベストタイミングであった。今年の気まぐれ天気で予報も日々変化していたが、三春に行く日取りは当たりの様だ。
横浜からバスに乗り一日目は昔の宿場町の風情を良く残している大内宿と八重の桜人気の会津若松城そして濁り湯が良い磐梯山温泉、二日目は吾妻スカイラインをドライブし福島の花見山と三春の滝桜のコース。吾妻連峰では霧氷を見ることが出来て、青空に白い花が咲いた様な華麗な風景を思い掛けず堪能した。花見山は一斉に咲き出した花の饗宴、滝桜は流石日本の三大桜の名に恥じない立ち姿。しかし人の波も凄い。
滝桜は三日前に雪が降り少々色落ちしたとの事で妙齢な大女優の佇まいとでも言えようか。ライトアップもあるようだからそちらも見ておきたい桜であった。
こうして日本各地の桜を見るに付け、その華麗な花姿と散り行く儚さが人それぞれの人生の日々と重なっている様に思える。それが毎年繰り返す日本人の心に残る風景ではないだろうか。