船越桂展
2015年10月31日 22:22
那須への旅の最後に帰途ルートに近い群馬県立館林美術館で船越桂展を見た。
船越桂は彫刻家船越保武の息子で私の娘婿の先生でもある。父は主に青銅や石で宗教性の高い作品を製作していたが彼は木の彫刻しかやらない、しかも人物像で一貫して人の見える部分と見えない心の内を合わせて表現する。
私の大変好きな彫刻家の一人であるが、これまで本でしか見た事がなかった。それが館林美術館でやっている事を知り是非見ておきたいと、旅の最後に閉館ぎりぎりの美術館を訪れた。美術館はロケーションも良く広々とした敷地に平屋建ての素晴らしい佇まいを見せてくれている。作品展は船越桂の初期のものから最近のものまで数おおく展示されていて作家の心の変遷を見る事ができる。
私としては初期から少し以前のものまでが好きで、最近もものは表現が激し過ぎてまだ受け入れる事が出来ないでいる。人物像は木に彩色してあるが木の柔らかさが人の肌そのものを感じさせ微妙な心の内まで感じさせる、顔以外は大胆な造型で表現したい事が露で木の杢目も出でてその顔との対称が良いと思う。
さてこの作家はこれからそのように作風が変遷して行くのか、それを見て行くのも楽しみである。

