長野・松本の街並みを歩く

2025年05月16日 00:00

久しぶりに夫婦の共通の郷里である長野へ旅をした。

親戚や友人達に会うのが目的であったが、妻が友人と会っている間に私は長野と松本の街散策をした。

旅の2日目長野の東山魁夷美術館に行き唐招提寺の襖絵の原画や最後の作品夕星を見た。この画家の風景画は深い精神性が感じ取れるがそれは風景を見つめている画家の心の有り様が絵の中に表現されているからだろうと思った。

その後善光寺界隈の蔵の街を歩き横町の古民家のカフェに寄りコーヒーで寛ぎ、隣の古書店〈遊歴書房〉を覗き本棚に囲まれた部屋で旅の本や欧州の古い街に関する本などの世界に浸った。そこでスペインの小さな街に関する本を見つけた。一人でこうした時間を過ごすのが好きだ。

最終日には松本の奥座敷である浅間温泉街を歩いた。ここは山肌に宿が静かに点在しているが初めて来たのは結婚式の後で泊まった時だがその時の記憶は定かでない。今回のお目当ては松本十帖。〈自遊人〉がプロデュースした昔の旅館小柳をオシャレなホテル、セレクトショップ、ブックストア等に再構築した居心地の良い施設である。ホテルはロビーやダイニング、ブックストアなどが本で囲まれていて本好きには堪らない空間である。宿泊者以外はロビーと予約制のブックストア松本本箱しか入れない。私はロビーの本棚で旅のエッセーを見つけた。

松本市内に戻り、木工をやっていた頃に寄ったことがある木工作家が店主のラボラトリオでランチを取り近くの10cmで木工作家の作品を楽しむなど木工をやっていた時の空気感を懐かしく思い出していた。

長野と松本、以前はライバル意識が強かったがそれぞれ善光寺と松本城を核に落ち着いた地方都市の良さを肌で味わえる街になって個性を出している。

面白いことにインバウンドの外国人もそうした街を日本人以上に味わっている様だ。