須賀敦子の世界
2014年10月29日 22:34
若い頃より本を読むのは好きだった。
しかし企業人の時期にも本を読む事は多かったが仕事に関連するものが多く文学の領域からは遠ざかっていた。そして会社を辞めてからは元々好きなジャンルであった建築関係や趣味の木工、旅、食などに関するものと文学作品も読み始めた。
そんな時、須賀敦子の作品と出会い虜になった。何故これほどまでに彼女の本を読む様になったのか?一言で言えば彼女の著作はイタリアでの結婚生活と友人との出会いなどの実体験を小説的に随筆調の文体で記述していて、文体がほれぼれするのと同時に心に響くものが多かったからだと思う。加えて、彼女は多くの町を旅していたが、その旅先の描写が私が見た風景の印象とかなり似ていたからだと思う。
彼女の没15年を期に再び見直されている様で出版も多く、神奈川県近代文学館で彼女の世界展が開かれていたので出掛けた。彼女の生涯を写真と文章で展示してあり、しばし其の世界に身を置いて静かに文章を読んでみた。
やはり、素晴らし文章だと思う。