イタリア都市史研究シンポジューム

2023年07月07日 00:00

イタリア都市史研究への挑戦-その軌跡と展望と題するシンポジウムに参加した
毎年大学のイタリアの都市紀行の公開講座を受けているが、そこで黒田教授の恩師の退館記念のシンポジウムがある事が紹介され、錚々たるイタリア都市研究者が講演や対談をするとの事で興味が沸いた。
九段にあるイタリア文化会館にあるイタリアテーストのホールは、その雰囲気がイタリア都市研究者の同窓会の様で著名教授から若手研究者、学生までが多く集まり研究のバッググランドと現状を話す報告会の様相であった。

講演内容は古代から近代に至る内容で色々な視点からイタリア都市研究を知る機会になった。

 I 古代と中世 

   ・ルッカ:スポリア、再利用、そしてレスタウロ|黒田泰介

   ・シエナの壁からポルティコの町へ─建築と都市の境界|片山伸也

 II ルネッサンス

  ・近世フィレンツェの祝祭からみた ふるまいの空間・領域・景観|赤松加寿江

  ・近世ヴェネツィアにおける社会的変革と都市空間|青木香代子

 III 近代

  ・歴史的都市フィレンツェの近代化とその後|會田涼子

  ・19 世紀から 20 世紀初頭におけるヴェネツィアの空間構造の変化|樋渡彩

 IV テリトーリオ

  ・構造的に読むオルチャ渓谷のテリトーリオ|植田曉

  ・プーリアの建築・都市・テリトーリオの空間史|稲益祐太

  ・文化的景観としてのアゾロ|福村任生

 

最後の対談に登場した陣内教授は多くの著書やテレビで知っているが、多少タレント化しているのか学者らしく無い親しみを感じる話をしてくれた。イタリアの都市史研究は建築もさることながら、そこに住む人々の生活スタイルまで含まれるので興味深い。

イタリアの都市史研究を俯瞰することができた素晴らしいシンポジュームであった。