DIC川村記念美術館に行く
新聞記事でDIC川村記念美術館が来年1月をもって閉館するのを知った。
この美術館は不便なところにあるためにこれまで行く機会が無かったが、収蔵作品は素晴らしくまた美術館本体や周りの森も魅力的だと思っていた。
所がDICは印刷物が減少してインキが売れず業績が低下、もの言う投資家から資本効率の悪い美術館をやめる様に提案された結果、閉鎖する事になった。世の中には企業の創業者が美術品を収集し社会貢献として美術館を作り公開してくれている所が大原美術館やポーラ美術館など多々あり我々を楽しませてくれるが、まさかの閉館など聞いた事がない。短期的利益第一主義の投資ファンドは困った存在だ。
京成佐倉から送迎バスに乗り約30分、里山風景の先に森が見えた。DIC総合研究所と公園とが一体になった地にとんがり帽子の美術館が佇む。最初の部屋には、ルノワール、モネ、ピカソ、シャガール、レンブラントそして藤田嗣治の名作が並ぶ。シャガールの〈ダヴィデ王の夢〉はかなりの大作で彼特有の多くの物語を内包した絵は圧倒される。
ある展示室は左右の窓から木漏れ日がさす森が見え、それぞれ明るい森と暗い森になっていて学芸員に聞くと意図したデザインだとのこと、センスが素晴らしい。
特別展で西川勝人の〈静寂の響き〉の彫刻展示があった。
素晴らしい作品が多くあるので、社会貢献として再開して欲しいと思う。